東京都町田市/野原 渉<終活カウンセラー>

自分の供養は誰がする? 「ふたりで終活」のススメ

変えられない現実 自分の供養は自分ではできない

自身の供養や生前整理について、事前に考えておく終活。
いま、この終活が活況を帯びています。

子と別々に住んでいる世帯や、子のいない世帯が増加していることが、活況の最大の理由です。 また、中には「子には迷惑や負担をかけたくない」という親心の声も、さまざまな場面で耳にします。

自分のことは自分で決めるのだという自立心。これはもちろん心強いことなのですが、しかし現実問題として自分の供養を自分ですることはできません。
自身の死後の処理は、誰かにお願いしなければならないのです。

だからこそ、終活で一番大切なのは、この「誰か」を見つけることから始まるのではないでしょうか。

任せられる「誰か」がいれば、終活は8割は成功

自身の死後のことを考えるのは、希望や計画であればいくらでも可能です。
でも、その考えを自分自身が実行することはできません。
それを実行するもしないも、遺された人たちによってすべてが決まります。
たとえば、こんな話はよくあることです。

  • 亡くなった本人は葬儀を直葬(火葬だけの葬儀)を希望していたのに、遺族がきちんとした一般葬を執り行った。
  • 本人は散骨(遺骨を海などに撒くこと)を希望していたのに、遺族がお墓を建立した。

ここには、「自分自身の供養は自分ではできない」ということだけでなく、「供養は遺されたもののためにある」という本質が見え隠れしています。

そういう意味では、従来の社会が持っていた供養のシステム、いわゆる先祖供養というものは理にかなっているのです。
子が、親や先祖の供養をすることが当たり前の社会では、終活なんてものは必要ありません。子がなんとかしてくれるということが大前提として、社会全体にまかり通っていたのですね。

もちろん、現代ではこうした縦の先祖関係はどんどん希薄になっています。
でもどんなに時代が下り、社会が変化したからといって、供養(もっと広い意味で言えば死後の処理)は、遺されたものが行うという本質は変わりません。

だからこそ、自分の理想の供養を任せられる「誰か」を見つけることができれば、終活は8割は成功したと言えるのではないでしょうか。

一番の理想は、子に任せること

一番の理想は言うまでもなく、子に任せることができればいいのです。
血を分けた親子の絆ほど強いものはなく、また法的にも子の権利は様々な場面で保障されています。

遺言という方法

遺言を残して、自身の死後の処理を明文化しておくという方法もあります。
また、遺言にも「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」などに分類されますが、法的拘束力が強いものがよいでしょう。

信託制度を活用する

単身者が増加して、子や知人に任せられないという人たちのために、信託銀行などが相続や贈与や供養などの費用の使い道全般を取り決める「終活信託」などのサービスを始めており、にわかに注目を集めています。

生前に死後の葬儀の内容や費用の使い道を事前に決めておくことで、誰にも迷惑をかけずに、葬儀を執り行えてもらえます。

葬儀社への事前相談

遺言書や信託制度までを利用しなくとも、事前に葬儀社に相談して、葬儀の流れを教えてもらったり、費用の見積もりだけを出しておいてもらうこともできます。

遺言や信託制度を活用したとしても、葬儀にどれくらいの費用がかかるかなどを知っておかなければなりません。
また、寺院とのお付き合いがない人も葬儀社が相談に応じて紹介してくれることもあります。

昨今の葬儀は、葬儀社が中心となって進めてくれるので、あらゆることをまずは葬儀社に相談することをおすすめします。

事前の備えが、大きな安心感につながります。

ふたりで終活のススメ

終活を自分のためにする人、あるいは家族のためにする人、さまざまでしょう。
しかし、いずれにせよ、ふたり以上で終活することをおすすめします。

ここでいうふたりとは「送る側」と「送られる側」です。
なぜなら、葬儀や供養は、送る側と送られる側がいて初めて成り立つからです。

いま、この記事を読んでくださっているあなたに、死後処理や供養を任せられる「誰か」が見つかることをお祈りいたします。

その人とふたりで終活できることが、きっと最良の喜びと安寧を、あなたにもたらすことになるでしょう。

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お問合せ先

終活カウンセラー野原渉

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